住宅ライターのザ・パークハウス 横浜港南台取材レポート

神奈川県横浜市

共用部やプランニングのこだわりは?マンションの開発担当さんにお話をうかがいました

「港南台こまどり団地」の建替え事業として建設中の「ザ・パークハウス 横浜港南台」。
2025年春の竣工に向けて、着々と工事が進んでいます。

現在レジデンスギャラリーではモデルルームが公開されていますが、エントランスホールなどの共用部はCGでの確認のみで、完成まで実際に見ることができません。

ですが実は、こちらのマンションの共用部は、作家さんの1点ものアート作品が飾られた素敵な空間になる予定なのだとか。

今回はそんな共用部のコンセプトなどについて、マンションの開発を担当された三菱地所レジデンス株式会社 第二開発部の太田さんにお話をうかがいました。

(上の写真:三菱地所レジデンス株式会社 太田様 同社にて撮影)

こちらの記事をまとめると…

コンセプトは「つながり」。建替えプロジェクトならではの、人や地域・時代をつなぐマンションを目指して

――今回は団地の「建替え」プロジェクトですが、開発にあたって、一般のマンションと違ったことはあったのでしょうか。

 

太田さん:
はい。通常マンションを建設する際は、土地を購入し、そこにある程度自由にコンセプトなどを考えます。

しかし今回のような建替え事業の場合は、もともとそこに住んでいらっしゃった方々が戻ってくることも考慮しなければなりません。どんなものをつくるか意識するポイントは、通常の分譲マンションとはやはり異なりますね。

建替え事業の場合、建替えのタイミングで売却される方も多いのですが、この物件に関しては、再取得をして建替え後のマンションに住む方が約8割と非常に多く、それだけこの場所を気に入って、大切に住んでいらっしゃったんだなと実感しました。

建替え事業の経済性を担保しつつも、動線や緑の確保など、従前の団地が好きだった方が戻ってきても心地よく暮らしていけるような計画にするにはどうしたらいいかと考えてプランニングしました。

 


▲かつての緑豊かな団地を想い、できるだけ緑を多く配置したのだとか。
道路に面した植栽は、駅方面から続く並木道と連続するように配置されていて、緑が広がるような印象を受けます。

 

太田さん:
大切にしたことは、周りに複数ある団地や、街との調和です。

三菱地所レジデンスのマンションのコンセプトとして、「エリアNo.1のマンションをつくろう」という考えがあるのですが、時間をかけて醸成されたこの街の景観に馴染むマンションをと考え、開発を進めました。

今回のプロジェクトのコンセプトは「つながり」。
ホームページにも「つなぐ」という表現が出てくるのですが、新旧の時代をつなぐ、家族をつなぐ、街とをつなぐ……など、いろいろなもののつながりを大切に考えています。

もちろん、街との調和は通常のマンション開発でも大切なことなのですが、当物件は建替え事業だからこそ、それまであったものや周囲と分断してしまうのでなく、より一層自然なつながりを感じていただけるような建物にすることを意識しました。

 


▲「つながり」を意識して選んだもののひとつが、外観カラーのクリーム色。
周辺の建物との調和や四季折々に色付く木々が映えるカラーとして採用に至ったそう。

また本件は板状型と呼ばれる横に長い建物であり、のっぺりとした印象になりがちですが、建物のかたちに凹凸をもたせることで、間伸びしない表情のある外観になるよう工夫したのだか。

確かに、港南台の景色に馴染んだやわらかい雰囲気の外観になっているなと思いました。

エントランスホールには若手作家さんの1点ものアート。家に帰るのが楽しみになる空間に

――続いてお住まいの皆様を出迎えるマンションの「顔」とも言える共用部、エントランス空間について教えてください。

 

太田さん:
はい。建物のエントランスから風除室を抜けるとあらわれるのが、開放的な吹抜けのエントランスホールです。

 


▲「ザ・パークハウス 横浜港南台」は、擁壁の上が1階、擁壁を上る途中の地下1階(道路より高い位置)がエントランスになっています。

 

太田さん:
擁壁の上に建つプランニングを活かして、エントランスホールは地下1階と1階の「2フロア」を利用した、縦の広がりのある設計にしました。動線を短くする為にエントランスの入口は地下1階に設けましたが、暗い空間にならない様に吹抜けでつなぐことで、明るく開放的な空間に仕上げました。

 


▲大きな窓からのやわらかい日差しと、やさしい色調で、明るい雰囲気がでています。

マンションの共用空間は黒やグレーっぽい色調のほうがスタイリッシュな雰囲気になりますが、外観と同じくクリーム色の色合いを採用したのは、光の反射による明るさや暖色寄りにすることであたたかさを意識しているようで、毎日の暮らしで通る場所だからこそ、安心感に包まれる居心地の良さを感じてもらえたら、という想いからなんだそう。

 

太田さん:
エントランスホールには、注目の若手アーティスト・木下友梨香さんの作品を飾ることにしました。

自然派コスメブランドのSHIROや、スターバックスの店舗、佐賀県の老舗絨毯ブランドとのコラボレーション実績もある作家さんで、花や植物を抽象的に表現した作品を制作されています。

花農家で育ったという彼女ですが、その描き方が非常に個性的で、画材にペンキを使って、手やひじを使って大胆に描いていくんです。

 


▲力強く、やさしい印象を与えてくれる木下さんの作品。
ぱっと見ての印象は色鮮やかな抽象画ですが、たしかにお花ですね!
植物をモチーフにしていることが、「緑を感じながらあたたかく暮らして欲しい」という想いにマッチしているということで、作品を見てすぐに依頼を決めたんだそう。
(※本画像はマンションに飾られる作品とは異なります)

 

太田さん:
三菱地所レジデンスのマンションでは、絵に限らず、彫刻やオブジェなど、アートを飾るケースがあるのですが、これほど色鮮やかな作品は珍しいです。

アート作品をマンションに採用しないケースもありますし、必須というわけではないものですが、芸術作品が持つストーリー性が建物の中に入ってくることで、帰ってきたときに明るい気持ちになったり、少しでも暮らしの充足感がプラスになったりしていただけるといいなと思っています。

木下さんは今は若手アーティストですが、今後ますます飛躍されて、何年か経ったときに「あの木下さんの作品が、うちのマンションのエントランスにあるよ!」と自慢していただけるようになるといいですね。

何年か経って、居住者のみなさんに愛着を持っていただいたアートと一緒に、作家さんも、そしてマンションも、街に馴染んで成長していけると素敵だなと思います。

じつは作品はまだ私たちの元に届いていません。制作にあたり、木下さんと建物の設計やコンセプトはお伝えしましたが、そこからは作家さんの想いを乗せて描き上げていただくのを待ちます。どんな作品になるのか、私たちもとても楽しみです。

大きさや枝ぶりを「実際に見て」厳選した植栽にも注目

――エントランスホール以外に、開発担当として注目してほしいポイントはありますか。

 

太田さん:
そうですね、植栽にもこだわっています。

木は、われわれ開発担当や設計担当が植栽会社さんと一緒に、茨城県や栃木県の森へ行って「これ!」という1本の木をみつけて、直接買い付けてきたものです。

同じ樹種でも高さや太さ、枝ぶりや色味など、1本1本が異なります。たくさんの木の中から、「ザ・パークハウス 横浜港南台」にはどんな木がいいのかを考えながら厳選してきましたので、ぜひ1本1本の植栽にも注目してください。

 

 
▲太田さんの推しの木は、ひばり団地と敷地内通路でつながっている「こまどりの庭」に植えられた淡い黄色の花が咲く木だそう。
完成予想CGの中央あたりにも描かれている、あの黄色い木です。

 

太田さん:
また、エントランスアプローチの両側には、紅葉する木としない木を交互に植えています。
そうすることで季節ごとに異なる表情を楽しむことができ、歩くたびに変化する景色を感じられるように工夫しました。

 


▲機械式駐車場の横にも緑のスペース「静穏の木陰」が。こういったちょっとした空間にも、ホッとできるスペースがあるのはいいですね。できるだけ緑を増やしたいという開発担当者さんの思いが伝わります。

 

――では最後に、購入者の方や、これから購入を検討されている方に、メッセージをお願いします。

 

太田さん:
今回は建替え事業ということで、新しく住まれる方にも、もともと住んでいた方にも、満足していただける住まいができれば思い、開発を進めてきました。

それは建物の中だけで完結するのではなく、港南台の街での暮らしを含めて、「ここに住んで良かった」と思っていただけるようなマンションになればと考えています。

帰ってきた時にホッとできる。街・時間・周辺の景観など、いろいろなものとのつながりを感じてもらえるような、そんな暮らしをご提供できたら嬉しいです。

 

太田さんのお話、いかがでしたか。

マンション開発には、建物の規模や各住戸の広さ、構造の安全性など、ハード面での計画ももちろん大切ですが、帰宅を迎えるエントランスホールのアートや、魅力的な1本の樹を選ぶなど、住む方の満足を考えてソフトの面までいろいろと考えられていることをあらためて感じました。

2025年3月の完成も楽しみですが、何年か経ったあと、港南台の街に馴染んだ「ザ・パークハウス 横浜港南台」の姿も楽しみに見てみたいなと思いました。

※掲載写真は2024年12月に撮影
※掲載の完成予想CGや敷地配置完成予想イラストは、計画段階の図面を基に描き起こしたもので実際とか異なります
林 景子

住宅ライター
林 景子

テレビやラジオのレポーター経験から取材好きに。
現在は、住宅のほか、子育てなどに関するライターとしても活動中。
自宅の壁や家具・小物などに自ら手を加えるなど、DIYが得意。

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