住宅ライターのザ・パークハウス 横浜港南台取材レポート

神奈川県横浜市

ニュータウン開発から半世紀。住宅地として発展してきた、港南台の特徴を紹介します

横浜、山手、大船、鎌倉。
京浜東北・根岸線沿線やその周辺には、特徴や街並みの異なるいろいろな駅がありますが、私が思う「港南台」の特徴といえば、「住宅地として発展した、ファミリーで暮らしやすそうな街」。

実は私、港南台を訪れたのは「ザ・パークハウス 横浜港南台」の取材がはじめてだったのですが、「ベイエリアの横浜~石川町」「繁華街があって賑やかな大船」のような周辺の街のイメージとは違って、港南台は雑多な感じがなく、駅周辺には複数の団地があって、道沿いの広い歩道を住民の方がゆったり歩いている穏やかな雰囲気。

「根岸線沿線にこんなニュータウンっぽい駅があったんだな」と意外でした。

調べてみると、昭和30年代ごろからはじまった横浜市周辺の住宅開発の一環で住宅地として計画され、緑豊かな里山に、駅や複数の団地が開発されてきた歴史があるよう。

今回は、そんな港南台がどのように発展を遂げてきたのか、その発展によってどんな街になったのかを見ていきたいと思います。

(上の写真:港南台の街の風景 「ザ・パークハウス 横浜港南台」現地から約370m)

こちらの記事をまとめると……

まずは港南台開発の経緯から。1970年代に進んだ、駅と周辺の開発

港南台地区の開発は、1969年の造成工事からはじまりました。
高度経済成長のなか、増加する首都圏の住宅需要を支える住宅地として、日本住宅公団などが、当時里山だった100万坪の土地(東京ドーム約70個分!)を切り拓く開発を計画。

 


▲1973年に、JR港南台駅が開業。
当時は田園地帯にポツンと駅舎があったのですね。(横浜市港南図書館所蔵写真)

じつは計画当初、港南台駅は設置する予定のない駅だったそうなのですが、住宅公団から鉄道建設公団に駅設置の申し入れがあって、駅設置が決められたのだとか。
港南台駅が完成したときには、団地はまだできていませんでした。

駅ができた翌年の1974年に、最初の団地である「港南台めじろ団地」が完成。
その後「ちどり・かもめ・ひばり・つぐみ」団地が次々と完成して、1978年に「港南台こまどり団地」が竣工します。

増加する居住者のため、駅前に商業施設がオープン。

 


▲1976年に「港南台センターバーズ」、1977年には、現イオンフードスタイルの「ダイエー港南台店」がオープンしました。(横浜市港南図書館所蔵写真)

港南台センターバーズのオープン当日は、なんと3万人を超える人で賑わったそう。街の人たちが待ち望んでいたことがうかがえますね。

その後1983年には、「港南台高島屋」がオープンしています。


▲1973年から1978年の5年の間に、港南台駅の開業、めじろ・かもめ・ひばり・つぐみ・こまどりと、駅から徒歩10分ほどの範囲に団地が次々と完成。
駅前に2つの大型商業施設もオープンしました。
人口も増えて、一気に賑やかになったのでしょうね。

「住宅地としての開発」を経てできあがった、港南台の街の特徴とは?

そんな経緯で開発された港南台の街には、どんな特徴があるのでしょうか。
駅や周辺を歩いてみて私が思った、特徴的なポイントを挙げていきます。

 

■広い道と歩道、開放的な景観

まず、港南台の一番の特徴かなと思うのが、道と歩道の大きさ。
駅を挟んで、大きな道が「ト」の字型に通っているのですが、その道沿いに、街路樹や広い歩道が整備されています。

特に、港南台バーズからマンションのほうに伸びる道は歩道の幅が広く、景観もキレイです。

 


▲大きな通り沿い、港南台バーズの裏あたりからのマンション側を見た写真。
右手側に写っているのは、ひばり団地です。
横浜の山の手の住宅地には坂道が急な街もありますが、港南台駅周辺は起伏が少なく、道が広くて開放的な雰囲気。

 

 
▲こちらの歩道は、人が十分にすれ違えるため、ベビーカーを押した方や、子どもやお年寄りがゆっくりと歩くのにも、全然気兼ねする必要がなさそう
団地が近くに複数あるためか、日中の人通りも適度にあって、人の目がちゃんとある安心感もありました。

走っている車は、私が見ていた範囲ではトラックなどではなく乗用車が多かったです。

 


▲看板も少なくスッキリしていて、空が広い明るい印象です。
緑や街路樹が目に付くな、と思ったらこんな理由も。
実は、こちらの道は「無電柱化」もされていて、電柱がないんです。

無電柱化は景観の向上だけでなく、台風や地震などの災害時に、電柱が倒れたり電線が垂れ下がったりするといった危険がなくなり、通信回線被害も軽減するのだとか。
また、歩道が広く使えるようになるため、歩行空間のバリアフリーという観点からもメリットがあるそう。

 


▲「ザ・パークハウス 横浜港南台」の現地前も、無電柱化がされています。

この穏やかな雰囲気が、駅前すぐの場所(上の写真は駅から約250m~640mのあたり)だというのが、いいなと思います。

 

■駅を中心に、商業・住宅・学校・公園がコンパクトに集まる配置

もうひとつ、住宅地として開発されたからこその特徴なのかなと思うのが、駅や商業施設などの配置。
「駅」を中心として、駅前に「商業」、そのすぐ外側に「住宅(団地)」「学校」「大きな公園」が近接しています。

 


▲団地に隣接して「港南台第二小学校」や「港南台第一中学校」が、また「港南台中央公園」「港南台西公園」、総合病院の「横浜市南部病院」(移転予定)があります。

駅から徒歩10分ほどの利便性の高い場所に、暮らしのための施設が集まっていますね。

建設できる建物の種類(高さや種類など)が決められた「用途地域」でも、駅前が近隣商業地域、団地が建つ敷地が第一種中高層専用地域などと決められています。

 

 
▲駅前広場のロータリー目の前にある「港南台バーズ」。
広い敷地にゆったりと商業施設が建てられていて、バスターミナルや道路、歩道も広々しています。

ここにお買い物に来る方は、おそらく周辺にお住まいの方が中心。
繁華街の駅の場合、駅前施設を利用している方の多くは、日中働きに来ているビジネスパーソンで、地元の方は駅から離れた場所にあるスーパーなどに日常のお買い物に行くことが多いかなと思うのですが、港南台駅は毎日の買い物で駅を利用するのが特徴的。

「駅前の一番便利な場所に、地元の方のための施設がある」のは、なかなかいいなと思いました。

(港南台駅 駅前ロータリー: マンションから約640m)

商業施設のリニューアルや団地の建て替え事業。開発から半世紀を経た今も、変化が続いています

開発から50年あまり、港南台の街は今も進化が続いてます。

 


▲暮らしやすく開発された街のかたちを基本にしながら、商業施設や住宅が、徐々に新しく変化しています。

まずは近年、駅前の施設がリニューアル。

 


▲2018年に、ダイエーがリニューアルして「イオンフードスタイル港南台店」がオープン。
1階にあるのはフードコート!正面入り口を入ってすぐフードコートがあるのは珍しいですが、老若男女問わず賑わっています。地域の方が気軽にやってきて、食事をするのに利用されているようです。
(イオンフードスタイル港南台店: マンションから約540m)

また、惜しまれながら37年の歴史に幕を閉じた「港南台高島屋」の後を継ぎ、2021年に「港南台バーズ」が増床オープンして、無印良品やユニクロ、ノジマなど、生活に密着した店舗が入店しました。

そして、2011年に完了した「港南台うぐいす住宅」の建て替えに続き、「港南台こまどり団地」の建て替え事業で、「ザ・パークハウス 横浜港南台」が建設されています。

 


▲駅の北側、2011年に建て替えが完了した「港南台うぐいす住宅」は、265世帯の分譲マンションに生まれ変わりました。
(ブランズシティ港南台うぐいすの杜: マンションから約720m)

 

「ザ・パークハウス 横浜港南台」は来年の3月に完成予定。外構や植栽が整備されて、どんな風に周辺の景観が変わるのか楽しみですね。

 

いかがでしたでしょうか?

広い道沿いの歩道、建物が建て込んでいない開放的な景観、いろいろな世代の人がゆったり歩いている街の雰囲気。
新しいカフェが次々オープンするような賑やかさはないですが、「ゆったりのんびりした住宅地」が好きな方は、きっと気に入る街なのではと思います。

ニュータウンとしての歴史を重ねながら、住民のニーズに応じた変化を続けてきた港南台。
次の50年、この街がどのように変わっていくのか楽しみです。

※掲載の現地写真は2024年1月~11月に撮影したものです。
※距離は現地からの地図上の概算です。徒歩分数は80m=1分として算出し、端数は切り上げています。
林 景子

住宅ライター
林 景子

テレビやラジオのレポーター経験から取材好きに。
現在は、住宅のほか、子育てなどに関するライターとしても活動中。
自宅の壁や家具・小物などに自ら手を加えるなど、DIYが得意。

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  • 情報は掲載日時点のもので、現在は対象の住戸が販売済みになったり、周辺環境等が変わっている場合もあります。