住宅ライターのバウス府中取材レポート

東京都府中市

府中の地震や水害への強さは?地域の防災性を考えます

住まい選びをするうえで、検討する地域の防災上の特性について確認しておくことは大切なことです。ですが具体的に、どんな資料を見て・どんな観点で調べたらよいかわからないという声も聞きます。

そこで今回は、ハザードマップなどを確認しながら、「バウス府中」の防災性や地盤についてチェックしたいと思います。

こちらの記事をまとめると……

府中の地盤は? … 地盤が硬く揺れに強い台地。液状化リスクも低い

まず注目したいのが「地盤」。
地震の揺れは、震源地からの距離だけでなく、地盤の強度が影響します。

地盤のやわらかいエリアは揺れが増幅して大きくなりやすく、逆に地盤の硬いエリアは相対的に揺れにくい性質があります。

まずは、自分の住んでいる(住むことを検討している)土地の地盤を確認して、揺れへの強さを把握しておきましょう。

 


▲国土交通省「ハザードマップポータルサイト」を加工(中央の緑の囲いを追加)して作成。
緑で囲った部分は、関東平野西部を広く占める「武蔵野台地」。府中市は武蔵野台地の南部に位置しています。

 

バウス府中建設地の地盤分類は「台地」。台地とは、標高が比較的高く平坦な地形を指します。
長い年月をかけてゆっくり堆積し固結した硬い地盤のため地震によって揺れにくく、比較的危険度の低い地域です。

また、東京都都市整備局では、都内各地域における地震に関する危険性を「建物倒壊危険度」「火災危険度」「総合危険度」で相対的に評価し、5つのランクに分けて公表しています。


▲同局のホームページでは、地域危険度測定調査の結果の詳細を町丁目で検索することも可能なのですが、バウス府中の所在地である「府中市宮西町1丁目」は、「建物倒壊危険度」「火災危険度」「総合危険度」の3指標とも『ランク1』
つまり、5ランクのうち一番危険性が低いという結果となっています。

 

液状化についてはどうでしょうか。

東京都建設局では、特定の震源の地震を想定せず、震度6弱相当の揺れが起きた場合にどの地域が液状化しやすいか評価したものを公表しています。
それによると府中市を含む東京都西側は「液状化の可能性が低い地域」と予測されています。

調べてみると、地震の揺れ・液状化ともにリスクの低い土地と言えそうです。
奈良時代の初め頃から平安時代の中頃にかけて栄えていた武蔵国は、現在の府中市にありました。この地が発展した理由は諸説ありますが、高台で地盤も強い場所であることも一因としてあったのかもしれませんね。

基礎構造は? … 地表近くの地盤で建物を支える「直接基礎」を採用

マンションをしっかり支えるために、重要な工程「基礎工事」。

建物を支えるのに十分な硬さを持つ地層を「支持層」といい、この支持層が地表下のどの位置にあるかでマンションの基礎構造が変わります。


▲バウス府中マンション公式サイトより引用。
大きく分けて「直接基礎」と「杭基礎」の2種類。バウス府中は直接基礎を採用しています。これって結構スゴイことなんです。

マンションの基礎は、地表近くに硬い地盤がある場合は「直接基礎」を使い、硬い地盤が地中にある場合は「杭基礎」を使います。
つまり、「直接基礎」で建てられたマンションは、地盤の良い場所にあるということ。

また、「杭基礎」と言っても杭の長さはさまざまで、硬い支持地盤までの深さによってその長さに違いがあります。

杭基礎であっても、地中の固い地盤に届くまで杭を打って建物を支持しており、しっかり設計されていますが、杭を打つ必要がなく地表近くの地盤で建物を支えられる直接基礎のほうが、より良好な地盤にあると言うことができます。

水害リスクは? … 多摩川の氾濫・内水氾濫ともにマンション建設地は低リスク

次は水害リスクを見てみましょう。

ここからは府中市ホームページに掲載されているハザードマップを確認しながら「バウス府中」の水害のリスクを考えていきます。

府中市のハザードマップでは、近隣の大きな河川である多摩川で氾濫が発生した場合に、氾濫した水がどこへ・どの程度押し寄せるかがわかります。


▲府中市公式ホームページ 多摩川の洪水ハザードマップより引用。
府中市の南を流れる多摩川は、「バウス府中」から直線距離で約2km離れています。

ハザードマップを確認すると、マンションは多摩川氾濫の浸水想定区域外。
地図上の黄色やピンク・赤で着色された部分が浸水可能性のあるエリアで、現地は白。緑の点々で囲われた「徒歩避難エリア」の中にあります。
仮に多摩川が氾濫しても、直接的な影響はなさそうです。

 

内水氾濫についても見てみます。
内水氾濫とは集中豪雨などによって、水路や下水道などの排水機能が追いつかず、マンホールなどから水が溢れてしまうことです。


▲府中市公式ホームページ 内水氾濫マップより引用。
想定しうる最大規模の大雨が降った場合、浸水が予想される区域と最大の水深を示しています。


▲内水氾濫マップの拡大図。
こちらも地図上の黄色やピンク・赤で着色された部分が浸水可能性のある場所で、マンションの建設地は内水氾濫でも浸水想定がない「白」の表示です。

 

いかがでしたか?

府中市は、地盤が硬く液状化のリスクも少ない土地であることがわかりました。また、バウス府中の建設地は、水害においても浸水リスクが少ないと予想されるエリアです。
ハザードマップ等で確認したところ、災害リスクが少なく、安心して暮らせると言えそうです。

近頃は地域の避難所に全員が集まるのではなく、「自宅が安全と思われる場合は自宅に留まる」などの分散避難も推奨されています。
そのため、こちらの物件の立地のように、ハザードマップなどでリスクを確認して、災害時も自宅が安全そうだと思われる場合は、在宅避難に備えて必要な水や食料を準備しておくことがより重要になるのではと思います。

 


▲バウス府中では、災害保存用飲料水やアルファ米、ラジオライトなどが入った防災リュックが1住戸につき1つ配布されます。(※)
それに加えて、家族それぞれに必要なものを補充すると良さそうです。

 

最後に、今回ご紹介したようなハザードマップなどでは自宅の災害リスクだけでなく、「周辺の行動範囲内にリスクがある場所はないか」も確認できるため、外出中もしものことがあった時の避難の必要の有無、逃げるべき方向などが分かって役立ちます。

ご紹介したようなサイトや自治体のホームページの「防災」などのページに、地域ごとに必要な注意点がまとめられていますので、まずはご自宅、また会社の場所などについて、確認しておいてはいかがでしょうか。

 

※参考サイト
東京都・地震に関する地域別危険度測定調査
(ページ中頃の「区市町別の地域危険度」で市町村別に危険度ランクを確認できます)
東京都・東京の液状化予測図 令和3年度改訂版
(住所等を入力すると、250mメッシュで判定・表示されます)
府中市・防災ページ
(ハザードマップや避難場所、各種防災情報を確認できます)

※防災リュックの内容は変更となる場合があります
林 景子

住宅ライター
林 景子

テレビやラジオのレポーター経験から取材好きに。
現在は、住宅のほか、子育てなどに関するライターとしても活動中。
自宅の壁や家具・小物などに自ら手を加えるなど、DIYが得意。

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