江戸川区・行政の子育て施策について調べてみました

住まいの購入を考える際、特に子育て中のファミリーやプレファミリーにとって、 “子育てしやすい環境であるか”は、重要なポイントですよね。
公園が充実して水と緑が豊かな江戸川区は、子どもがのびのび遊べる環境が整っていると感じます。
では、行政による子育て支援やサービスはどのようなものがあるのでしょうか。
今回は江戸川区の子育てサービスや支援などをチェックしていきたいと思います。
こちらの記事をまとめると……
「えどがわ50の子育てプラン」のほか、子育て支援が充実
子育て支援やサービスは自治体によって異なるため、どこに住むかによってサポートの度合いは変化します。
▲江戸川区では「楽しい子育て」を合言葉に、さまざまな施策が実施されています。
たとえば、2023年度から区が独自に展開しているのが「えどがわ50の子育てプラン」。
それまで25あった子育て施策を拡大し、ひとりひとりのライフステージにあわせたあらゆる角度からの子育て支援を目指して、掲げた50の施策に順に取り組んでいます。
施策の一部を紹介すると……
■妊娠・出産時
・妊婦全数面接事業「ぴよママ相談」
・新生児訪問の実施
■乳児期
・ベビーシッター利用支援事業(一時預かり)の無償時間の拡充
・0歳児の見守り訪問「おむつ定期便」
・1・2歳誕生日ギフトの配付
・3歳の年度末までの育休を支援
・家事育児支援14時間まで無料
・保育園利用支援…保育料・給食費の無償化、休日保育の実施
・幼稚園利用支援…入園料補助、保護者負担額補助、給食費の無償化
・医療費助成など…18歳まで医療費無償化、乳幼児健診などの充実
■就学期
・小中学校の給食費の無償化
・登校時間前の小学生の居場所づくり
・学童クラブ全学校内に設置
・子どもショートステイ・子どもトワイライトステイ ……など。
ピックアップしたのは妊娠・出産期からですが、50の施策は学生時代からの妊娠に関する啓発(喫煙の悪影響、バランスの良い食事の大切さなど)から、大人になってからの出会いのサポートなど多岐にわたっています。
【参考】えどがわ50の子育てプラン(江戸川区長 斉藤たけしさんのホームページ)
「えどがわ50の子育てプラン」以外にも、「ファミリー・サポート事業」や「えどがわママパパ応援隊」などの子育て支援も用意されています。
経済的負担が軽減される子育て支援があれば、子どもの将来にも備えられそう
ここからは子育て真っ最中の私が、気になった(羨ましく感じた)支援策をいくつかピックアップして紹介していきます。
■ぴよママ相談
妊娠中は、出産や子育てなど不安がいっぱいですが、江戸川区では保健師さんなどの専門職員が面談をし、不安に耳を傾けてくれる「ぴよママ相談」をという事業を行っています。
このぴよママ相談を終了すると、「ぴよママギフト1万円分」がもらえるうえ、「出産応援ギフト5万円分」も支給。さらに出生届出後に新生児訪問(生後4ヵ月までの間に自宅に助産師さんや保健師さんが訪問し、無料で悩みや不安を相談できる制度)を受けると「子育て応援ギフト10万円分」がもらえます。
つまり合計16万円分のギフトポイントが支給されるということ。
墨田区や江東区も江戸川区と同額ですが、全国的に見ると出産応援ギフト・子育て応援ギフトともに5万円という自治体が多いようです。
おむつや離乳食など、子育てには何かとお金が必要ですが、16万円分というサポートが受けられるのはありがたいですね。
■乳児養育手当
「乳児養育手当」は、満1歳未満の乳児がいる家庭に対して、月額13,000円が1歳になる前月まで支給される制度。
昭和44年から実施している、江戸川区独自の制度です。
所得制限もなく、別途支給される児童手当と合わせると、月に28,000円の補助を受けられるのは魅力的。
第1子の場合は特に買い揃えるものも多いですし、子育ての悩みの実態に即した制度だなと思います。
■ファーストバースデーサポート事業
子どもが1歳を迎えると郵送で届く事業案内通知。その案内に従ってアンケートを提出すると、電子ギフト券がもらえます。これが「ファーストバースデーサポート事業」。
その金額は、第1子は6万円分、第2子は7万円分、第3子以降は8万円分!
この電子ギフト券はおもちゃ店やベビー用品店、飲食店やドラッグストア、自転車店や整体院などの加盟店で利用可能。赤ちゃんのためはもちろん、育児疲れを癒すために使用することもできます。
同様の制度について調べてみると、隣接する墨田区は江戸川区と同額、江東区は5万円分、葛飾区や千葉県には同様の手当は無いようです。
■給食費の無償化(幼稚園・保育園、公立小中学校まで)
江戸川区では、幼稚園・保育園、公立小中学校まで給食費が無償化されています。
例えば毎月の給食費が約5,000円の場合、仮に3歳から保育園に入園して中学卒業まで給食費が無料になれば、単純計算ですが12年間で約70万円の負担減になるということ。
これは大きいですね。
▲江戸川区では、区立の小・中学校や幼稚園だけでなく、盲学校などの特別支援学校にも補助を広げているのだとか。
未来を担う子どもたちの食のサポート、大切です。
給食費だけでなく、医療費についても高校3年生相当までの保険診療の自己負担分を区が助成。保護者の所得制限はありません。
こういった経済的負担が軽くなる様々なサポートにくわえて、出産や育児について、専門家に相談しやすいような仕組みが用意されていて、子育ての悩みに寄り添って考えられているなと感じました。
2022年から待機児童数はゼロ。共働き世帯にもうれしい子育てサポートも
共働きの子育て世帯にとって、子どもを保育園に入れることができるかどうかはとても重要なことですよね。
江戸川区では、保育園の新設などさまざまな待機児童対策を施し、2022年から待機児童数は0なのだとか。
仕事と育児の両立は簡単ではありませんが、江戸川区では保育園以外にも子育てしやすいサービスが充実しています。
■えどがわママパパ応援隊
「えどがわママパパ応援隊」は、3歳未満の子や多胎児妊娠している家庭にサポーターを派遣し、家事や育児を手伝う家事・育児支援事業です。
たとえば食事の支度や簡易な室内清掃、育児の補助などを行ってくれるというもの。預かり保育やベビーシッターとは違い、ちょっとした家事を手伝ってくれるサービスです。
利用料金は1時間500円と格安。なんと0歳児の養育家庭は14時間まで無料で利用することができるんですって。
慣れない育児と家事で毎日がバタバタというパパさんもママさんも、リーズナブルに家事や育児のお手伝いをしてくれるこういったサービスがあれば、少しは負担を減らすことができそうですね。
■ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)
先ほどの「えどがわママパパ応援隊」はベビーシッターとは違うと紹介しましたが、「ベビーシッター利用支援事業」は、一時的にベビーシッターに保育を依頼するサービス。
仕事の都合はもちろん、ちょっと息抜きをしたいときなど幅広い理由で利用できます。
対象は未就学児で、16時間までの利用分は全額補助、16時間を超える利用分は費用の一部を補助。土日祝日、年末年始も対象で24時間365日利用可能です。
江東区には同様のサービスがありますが、墨田区や千葉県には無いようです。
■ファミリー・サポート事業
全国的にも普及している「ファミリー・サポート事業」。私も子どもが小さいときに何度かお世話になりました。
ファミリー・サポート事業は、子育ての手助けが必要な人と、手助けできる人がそれぞれ会員登録し、保育施設までの送迎や子どもの預かりなど、子育てに関する相互援助活動を行う制度です。
たとえば早朝に出勤しなければいけなくなったけれど保育園がまだ開いていないときに、援助会員さんに子どもを預かってもらい保育園まで送り届けてもらったり、逆に保育時間終了時に間に合わない時に、お迎えに行ってもらってしばらく預かってもらったり。
また子どもの体調が悪いけれどどうしても仕事が休めない時には、子どもを預かってもらうだけでなく医療機関への受診もお願いすることができます。
江戸川区は月~土曜日の8時~19時は1時間800円、それ以外は1時間900円と、近隣エリアに比べて若干リーズナブルなのも嬉しいポイント。
近所に頼る人がいない方にとって、仕事との両立では大いに助かる子育て支援サービスです。
▲最後に、江戸川区立の保育園で新しくはじまったサービスが「おむつのサブスクリプション」。
江戸川区立の保育園では、以前から保育園での使用済みおむつの持ち帰りは廃止されていますが、他の自治体では未だにおむつひとつひとつに名前を書き、使用済みのおむつは持ち帰るという保育園もあります。些細なことですが、毎日のことだからこそ、手ぶらで通園できるのは有難いと感じるのではないでしょうか。
いかがでしたか?
今回ご紹介した子育て施策はほんの一部。江戸川区にはほかにもさまざまな子育て支援があります。
こういった子育てサポートを活用すれば、仕事との両立に役立ち、時間や心に余裕をもつこともできそう。何より子育てがより楽しく感じられるのではないかと思います。
私の住んでいる自治体にもこんな子育てサポートが欲しい!と思ったライターでした。

住宅ライター
林 景子
テレビやラジオのレポーター経験から取材好きに。
現在は、住宅のほか、子育てなどに関するライターとしても活動中。
自宅の壁や家具・小物などに自ら手を加えるなど、DIYが得意。