名古屋市の教育環境について、さらに詳しく調べました!
公立の小学校・中学校の教育環境は、どこの市町村でも大差がないと思っていませんか?
実は、同じ県内や隣の市でも、自治体によって大きく異なるポイントがあるんです。
そこで今回は、名古屋市立の小学校・中学校の教育環境について深く掘り下げてみようと思います。
「エアコンの設置率は?」「給食は?」「放課後の過ごし方は?」など、子育て世代のみなさんが気になりそうなことを調べて、県内や近隣の市と比較してみましたよ。
※上写真:「市立 志段味東小学校」(現地より徒歩4分/約300m)
公立小・中学校の空調(冷房)設置率100%!猛暑でも涼しい室内で学ぶことができます。
「自分が小さかったころ、学校にエアコンなんてなかった」という方も多いのでは?
少し前までは、公立の小・中学校にはエアコンが設置されていないところが多くありました。
しかし、みなさんもご存知のように、ここ数年は30℃を超える猛暑が連日続くようになり、
エアコンが学校にないことは、勉強に集中できないだけでなく、熱中症の危険すら懸念されるようになったのです。
近年では、全国の公立の小・中学校に空調(冷房)設備導入の動きが出てきていて、
平成29年の文部科学省調査によると、全国の公立小・中学校の普通教室への空調(冷房)設置率は「49.6%」。
その中で名古屋市は、平成27年度に市立小・中学校普通教室への空調設備の導入を完了しているんです!
▲夏は、エアコンの効いた涼しい教室で快適に学ぶことができそう。
体育などの授業から帰ってきたあとも、エアコンのある教室なら体を涼めることができるので、熱中症のリスクも下がりそうですね。
ちなみに、エアコンの設置率は同じ愛知県内でも差があるんです。
実は、平成29年の調査結果で、愛知県内で空調(冷房)の設置率が100%なのは、「名古屋市」「北名古屋市」「春日井市」「みよし市」「大口町」「阿久比町」「飛鳥村」の7市町村のみ。
愛知県全体の設置率は「35.7%」に留まっています。
※NPO法人 愛知県難病団体連合会HP「小中学校の空調(冷房)設置状況について(全国・小中学校普通教室)」より
まだまだこれからも猛暑が心配される年が続きそうですから、
しっかりと空調(冷房)設備が完備されている小・中学校に通わせることができるのは、保護者の目線から見ても安心ではないでしょうか。
小学校は給食、中学校は自由度の高い「スクールランチ制度」があります。
続いて、名古屋市の小・中学校の給食制度について調べてみました。
名古屋市立の小学校では、完全給食が実施されています。
実際に献立を見てみたのですが、「エネルギーのもとになるもの」「体をつくるもとになるもの」「体の調子を整えるもとになるもの」と、成長と健康維持に必要な栄養のある食材がバランスよく取り入れられているという印象を受けました。
地元・名古屋市産の食材を使った料理を食べる日や、愛知県の特産物を使った料理、なごやめしが出る日などもあるみたいです。
ただお腹いっぱい食べるだけではなく、給食を通して食文化を学ぶことができるようになっているんですね。
アレルギーに関しても、可能な範囲では対応してくれるそうです。
▲小学校の献立表は、名古屋市のホームページからも見ることができます。
月ごとに「日本の食文化について知ろう」「豆や大豆製品について知ろう」などの「めあて」も設定されていますよ。
また名古屋市立の中学校になると、完全給食ではなくなり、「スクールランチ」という制度になります。
ちなみに、守山区の近隣の春日井市や尾張旭市、瀬戸市、長久手市では、中学校でも完全給食が行われているようでした。
「スクールランチ」と完全給食の大きな違いは、「選べるか、選べないか」というところ。
名古屋市の「スクールランチ」では、完全給食のように全員が同じメニューを食べるのではなく、複数のメニューの中から自分で選択することができるんです。
各中学校にランチルームが設置されていて、ランチルームのメニュー2種類と、教室で食べるランチボックスのメニュー2種類の中から選ぶようになっているんですよ。
毎日違う料理が登場し、ハヤシライスやカツカレー、とり肉の竜田揚げなどが人気とのこと。
献立を見たところ、オムライスやみそラーメン、手羽先風から揚げ、チンジャオロースなど、和洋中が揃っていて、選ぶのが楽しそうだな~と思いました。
事前予約制なので、日によって家庭からお弁当を持ってくることもでき、
普段はお弁当にして、好きなメニューの日だけスクールランチを活用するということもできます。
スクールランチの費用は1食あたり280円(ミルク代は別途)。
小学校の完全給食制度から、中学校では「スクールランチ」にステップアップして、自分で昼食のメニューを選ぶことができるのは、ちょっと大人な気分も味わえそうですね。
小学校では、「学童保育所」のほかに「トワイライトスクール、」も実施されています。
また、共働きの家庭で特に気になるのは、「子どもの放課後の過ごし方」ではないでしょうか。
名古屋市の小学校では「学童保育所」とは別に、「トワイライトスクール」も実施されています。
「トワイライトスクール」は、名古屋市が設置運営を行う公設公営の事業で、放課後等に小学校施設を活用して、遊びや学びを提供する場として実施されています。
「学童保育所」と同じように、毎週月〜金の放課後のほか、土曜日や長期休みにも開設されていますが、
「トワイライトスクール」と「学童保育所」の大きな違いは、共働きなどの留守家庭児童でなくても、小学校の全児童(1年~6年)が自由に参加することができること。(※事前申込制)
しかも、費用は無料です!(※保険関係費、体験活動の材料費などは別途)
学校の仲良しのお友だちと参加するのも楽しそうですね。
▲「トワイライトスクール」と「学童保育所」の違いを比較してみました。
※名古屋市HP「トワイライトスクール」、「志段味東学童保育所」HPを参考に作成。
学童保育所はトワイライトスクールと違って、月額費用がかかりますが、
その分、入所登録制で子どもたちの「第二の家」目指し、保育時間も長いです。
「夫婦そろって残業が多い」「土日休みではない」「子どもを1人で家で過ごさせるのは心配…」というご家庭は、「学童保育所」のほうがよいかもしれませんね。
▲【守山センチュリーゲート】の指定通学校の「市立 志段味東小学校」でもトワイライトスクールが実施されています。
ちなみに、「志段味東小学校」の学校行事について調べてみると、他学年と一緒に活動する機会もあり、2018年は1・2年生が一緒に「東谷山フルーツパーク」に、3~6年生が一緒に「森林公園」に遠足に行っていました。
7月の七夕の頃には、「星まつり集会」があり、当日までに他学年と一緒に短冊などの飾りを作って、集会当日は劇などの発表を楽しむようですよ。
また、5年生は「東谷山フルーツパーク」と協力して、学校の教材園でフルーツの栽培などもしているそうで、この地域ならではの体験だな~と思いました。
※遠足の行き先や行事内容などは、年によって変更になる可能性があります。
いかがでしたか?
市によって、子どもの教育環境や制度にも様々な違いがあるんですね。
住まい選びの際は、子育て環境以外にも、医療や福祉など様々な制度を調べて、暮らしやすさを比較してみるのも良さそうです。
住宅ライター
村田明音
住宅ライター。女性誌の編集や広告営業を経て、ライティング会社を設立。マンションや一戸建て、リノベーションなど住宅分野に幅広く関わっている。旅行先でも、物件や町の住みやすさをついチェックしてしまう。