モデルルームを取材しました② ~柱・梁がスッキリ。仕様にも注目の、開放感ある3LDK

今回は、南向き・3LDKの「Dタイプ」のモデルルームをレポートします。
前回はアイランドキッチンがポイントの、上質感ある2LDK「Fタイプ」をレポートしましたが、今回のDタイプは主に3~4人家族向けのプラン。
オプションもありますが限定的なため、実際の暮らしがイメージしやすいモデルルームです。
ポイントは、リビング・ダイニングと洋室を仕切ったり、繋げたりが簡単にできる「ウォールドア」と、空間がスッキリ見える「内蔵梁」という構造。
また、キッチンなど水回りの設備・仕様も、標準仕様でも細かいところまで気が配られていると感じました。
では早速、解説していきたいと思います。
こちらの記事をまとめると……
■モデルルーム「Dタイプ」…南向きで明るい3LDK。高層階からは開放感ある景色も眺められそう
■ウォールドア…空間を開放できるウォールドアは、壁面に納まるスッキリ感もポイント
■内蔵梁…戸境壁の梁を室内に出さない仕様。圧迫感が減り、天井いっぱいまでスッキリ感
■水回りの仕様…作業スペースが広いキッチンやミストサウナ、ローシルエットトイレなど、ひと工夫ある設備が採用されています
モデルルーム「Dタイプ」…南向きで明るい3LDK。高層階からは開放感ある景色も眺められそう
こちらがモデルルーム「Dタイプ」(71.92㎡)の間取り図。
▲標準プランでは3LDK+ウォークインクローゼット2つのところ、モデルルームは洋室3と収納をアレンジしており、3LDK+ウォークインクローゼット1つになっています。
前回の「Dタイプ」はリビング・ダイニング・キッチンのみを再現したハーフモデルルームでしたが、こちらは住戸を丸ごと再現。
南向きのリビング・ダイニングは約11.0畳。
詳しくは後述しますが、ウォールドアを開け閉めして、隣の洋室と空間を繋げることも、仕切ることもできるようになっています。
▲モデルルームにはテレビが置かれていないことも多いのですが、こちらは4人掛けのダイニングテーブルとソファに加え、テレビもしっかり置いてあるので、実生活に近いインテリア。
こちらのモデルルームは11階想定。
南側に広がる低層の住宅街や、東側の江戸川の堤防の見え方など、実際の景色をイメージできる写真パネルが貼られています。
▲バルコニーの向こうの景色を、室内から見た様子がイメージできます。こうして写真に撮ると、まるで本当の景色のようですね。
ちなみにバルコニーの素材(前回の記事で解説)は透明感のあるタイプなので、視線が遮られず、より開放感があります。
リビングの隣の洋室3は6.6畳。
モデルルームでは、LDと繋がるスタディ&ワークスペースとしてコーディネートされています。
▲壁面を活かして造作の本棚を設置。
こちらの本棚はモデルルームのインテリア提案なので標準プランでは設置されませんが、壁のかなり上の方まで造られていますね。
実はここ、ポイントです。(詳しくは後述します)
▲ちなみに、ここに置かれている本は、共用施設のライブラリーラウンジに置かれるものと同じだそうです。
文学賞受賞の小説や、有名人のレシピ本、ベストセラーの児童書など、青山ブックセンターセレクトの本がずらり。
モデルルームは「江戸川の河川敷で野球を楽しむ家族」という設定だそうで、インテリアのそこかしこに野球エッセンスが散りばめられているのにちょっとほっこりしました。(パパのトロフィーも!?
ウォールドア…空間を開放できるウォールドアは、壁面に納まるスッキリ感もポイント
さて、こちらのモデルルームのポイントのひとつめは、ウォールドア。
こちらは間取りとしては3LDKですが、LDと洋室の間がウォールドアで、壁を開放できるようになっています。
仕切れば3LDKとして、開けるとLDと洋室が繋がり、2LDKのように使えるのがポイント。
▲こちらはウォールドアを開けたところ。
4窓分のサッシから明るさがいっぱいに入ってきて気持ちが良さそう!
レールが細いのでパッと見では気付きにくいのですが、天井にウォールドアのレールがあって、空間を仕切れるようになっています。
▲LD側から洋室3を見たところ。
天井にウォールドア用のレールがあります。
ウォールドアを閉めるとこんな風に、しっかりと空間を仕切れます。
ドアといっても床から天井までの高さがあるので、「壁(ウォール)」のようです。
▲一番左のドアには取っ手があって、通常の開き戸のように開け閉めできます。
1枚1枚は大きいのですが、見た目に反して軽いため、動かすのは私ひとりでも簡単にできました。片手でも動かせるくらい。
動かす時の音も静かで、お昼寝している赤ちゃんも起きない(笑)かなと思います。
最近の3LDKのマンションでは、こういったウォールドアで空間を仕切れるタイプのプランが数多く採用されています。
子育て世帯の場合、子どもの成長にあわせて部屋数を手軽に変えられる点や、最近ではリモートワークルームとして洋室を使い、集中したい時やオンライン会議の時だけ閉めるといった使い方ができる点などが評価されているようです。
個人的にはやっぱり、せっかくだからウォールドアは開けて、なるべく広い空間として使いたい、と思うのですが、こちらのウォールドアは開けた時の「納まりのスッキリ感」もあっていいなと思いました。
▲マンションの公式HPから引用したイメージイラスト。
通常は、イラストでは点線で示されている薄い色の場所に畳まれたドアが納まる設計が多いのですが、こちらのドアは90度回転して壁面沿いに畳まれる形。
ドア1枚分、LDと洋室を隔てるものがなくなって、より空間を広く使えるという工夫なんですね。
畳むときにドアを90度回転させる作業が必要にはなりますが、前述のとおり軽い力で移動できたので、個人的には良い工夫だと思いました。
内蔵梁…戸境壁の梁を室内に出さない仕様。圧迫感が減り、天井いっぱいまでスッキリ感
もうひとつ、LDを見渡した時に「広く見えるな」と思ったのですが、その理由が「内蔵梁」。
通常、マンションは戸境壁(隣の住戸との間の壁)の上部に、梁が出るのが一般的です。
▲こちらは一般的なマンションの参考写真。天井のこの部分が梁です。
構造上出っ張ってしまう部分ではあるのですが、こちらのマンションはこの梁を室内に出さない、「内蔵梁」という構造が採用されているようです。
▲公式HPから引用した概念図。
(※F・G・H・Iタイプ2階~14階の一部分及び全タイプの15階を除く)
モデルルームでいうと、この部分です。
▲LD。オレンジの点々の部分です。
カラフルなアクセントクロスが張られていますが、標準では白いクロスになるよう。
▲写真1枚目は洋室1、2枚目は洋室2。
こちらも戸境壁の上部に梁が出ておらず、スッキリしています。
視線が広がりやすくなることで「広さ」を感じる工夫なのですが、天井いっぱいまで家具を配置できるといった実用面でのメリットもあります。
(洋室3で説明した、「壁の上までの本棚」のようなアレンジが可能になります)
梁による影もできないので、天井に取り付ける照明や部屋の角に置いた間接照明の光がふわっと広がって、奥行きを感じるのもメリット。
これまで、バルコニー側の柱を外に出す「アウトフレーム工法」は多くのマンションで採用されてきていましたが、内蔵梁を取り入れている物件はまだ多くないと感じます。
リフォームなどでも変えることができない構造面なので、こだわってみても良い部分のひとつだと個人的には思います。
水回りの仕様…作業スペースが広いキッチンやミストサウナ、ローシルエットトイレなど、ひと工夫ある設備が採用されています
それから、水回りにも、機能面と見た目の美しさが両方考えられた設備や、使い勝手を良くする工夫が見られました。
キッチン
まずはこちらのキッチン。
▲コントラストの効いた木目が印象的なキッチン。
こちらのモデルルームは、セレクトできる3パターンのカラーのうち中間の明るさの「エクリュバーチ」が採用されています。キッチンのカウンターと扉のカラーは標準です。(側面のタイルのようなパネルはオプションのようです)
設備面も充実しており、生ごみを簡単に処理できる(※1)ディスポーザが標準装備。
ディスポーザは、マンションの場合、リフォーム等で個別に設置することはできないため、「欲しい」という方は要チェックの設備です。
また、ガスコンロは三ツ口で、トッププレート(コンロの土台の部分)は、艶がキレイで衝撃や汚れに強いハイパーガラスコート仕様です。
▲写真1枚目:ディスポーザ。排水口に生ごみを入れ、水を流しながらフタを捻るだけで生ごみを粉砕処理できます。
ごみの量が減るほか、三角コーナーに生ごみを溜めておかずに済むので、ニオイも汚れも軽減。
写真2枚目:ハイパーガラスコートトップコンロ。油汚れが焦げ付いても、水拭きでサッと落とせます。
使い勝手の面で工夫されているなと思った点は、まずひとつ目が作業スペースの配置です。
▲作業スペースは、一般的なキッチンだとシンクとコンロの間の1箇所だと思いますが、こちらはシンクの左側にも作業スペースがあって、合計2箇所。
私はシンク横の狭い角に無理やりまな板を置いて野菜などを切ってしまうことがあるのですが(笑)これくらい広いと作業しやすそうだと思います。
まな板といえば、こちらのキッチンは標準でセットされているシンクの水切りカゴが、こんな風にも使えるそう。
▲ふたつ目のチェックポイント。
タッパーを置いたり、野菜の湯切りなどにも使える水切りカゴ。お皿は立てて置けるけど、シンクからの水はねが気になりにくい絶妙な“浅さ”が良いです。
まな板を、カウンターと水切りカゴに渡すようにして置くこともできます。その際にカゴの枠とカウンターがちょうど平行に、ガタガタしないように作られているよう。
収納も充実していて、引き出しは床スレスレの位置まで、開き扉の収納やコンロ横のスパイスラック、吊戸棚もあり、フライパンやお鍋などの調理器具だけでなく、食品のストックや意外とかさばるお弁当箱や水筒、タッパー類などもスッキリ納まりそう。
引き出しは、閉まる時に「パタン!」とならず、ゆっくり閉まるソフトクローズ機能付き。
開き扉の内側に付いている包丁差しにはキッズロック機能もあるなど、細かい部分でも仕様の高さを感じました。
バスルーム
バスルームも、ミストサウナ機能付き浴室乾燥機や保温性の高い浴槽、すぐに乾くモザイクパターンの床などが採用されています。
ミストサウナは温泉施設などにあるドライサウナとは異なり、低温(40度くらい)でじんわり温まるのが特徴。
髪や肌に優しく、お肌の水分量アップが期待できたり(私、実際に体験したことがありますが肌の水分量が20%くらいアップしました!)、湯ぶねに浸からなくても体が芯からポカポカ温まるスグレモノの設備です。
▲バスルーム。
個人的には照明がダウンライトなのもポイントが高いです。ホコリが溜まりにくいデザインですし、柔らかな光でリラックスできそう。
浴槽も丸みを帯びたラウンド型で、ゆったりできるフルセットが揃ってる! といった印象でした。
トイレ
それから、普段はレポートで取り上げることが多くないトイレですが、こちらも注目したいポイントがあったので紹介していきます。
トイレ本体は、昔ながらのタンクがあるタイプよりもハイグレードな、タンク一体型のもの。
また、新築マンションであれば温水洗浄便座は付いていて当たり前ですが、こちらのトイレはそれに加えてフタを閉めた後に自動で洗浄する機能が付いていたりと、一般的なものよりもグレードが高い設備になっています。
▲モデルルームのトイレ。腰のあたりまで映る高さの鏡(水はねが気になる場所がスモークガラス)と、手洗いカウンターが標準で設置されています。
トイレットペーパーや掃除用具を入れておける吊戸棚も。
▲トイレは上部にタンクのないローシルエットタイプ。
空間も適度に広くて(人が入って片手を伸ばせるくらい・笑)狭苦しさがなく、凹凸が少なくてお掃除も楽そう。
こちらの水回りの設備は、節水や使い勝手だけでなく、「お手入れのしやすさ」も優れているのが、個人的に良いなと思う点です。
トイレの便器や手洗いカウンターは汚れの付きにくい「セフィオンテクト」(陶器をナノレベルまで滑らかにする加工)を採用。
バスルームのカウンターも楽に取り外しでき、裏側もお掃除がしやすかったり、洗面化粧台のパネルもガラス質の「ホーロークリーンパネル」で、水はねなどをサッと拭くだけで落としやすい仕様なのだそうです。
細かい部分ですが、こういった違いが、時短や暮らし全体の向上に繋がりそうです。
いかがでしたでしょうか?
モデルルームを見学して感じたのは、
・空間や視界を広げる工夫 (内蔵梁やウォールドア)がされていて、実面積より広く感じること
・江戸川と低層住宅地に近接する立地のため、より開放感があること
・キッチンやバスルームなど、水回りの仕様が高く、使い勝手に配慮されて家事や掃除が快適にできそうなこと
です。
“ザ・パークハウスらしい”仕様や使い勝手にプラスして、この立地のメリットに合った設計がされているなと思いました。
モデルルームに興味のある方は、室内のインテリアカラーなどのセレクトの期限もありますから、早めの訪問がオススメです。
予約必須のようですので、見学の際はご注意くださいね。
※掲載の間取り図は計画段階のもので変更になる場合があります。
※1:生ゴミの種類によっては処理できないものがあります。

住宅ライター
熊谷実津希
「知りたいことは、現場に行って調べる!」がモットーの住宅・不動産専門ライター。二児の母にして分譲マンション購入経験あり。美味しいお店を発見する眼力にも自信あり!?