住宅ライターのザ・パークハウス 松戸取材レポート

千葉県松戸市

松戸市の子育て環境を調査【小学生編】 ~学童や通学路、学習塾の充実度は?

松戸市の子育て環境調査。
前回の記事では、未就学児に焦点を当て、共働き世帯が子育てしやすい環境かどうかをチェックしました。
今回は、小学校に入学してからの環境について調べます。

子どもが小学校へ入学すると、保育園に通っていた頃とは子育てのスタイルも変わってきます。

特に大きく変わるのは、毎日の送り迎えが不要になる、共働き世帯の場合は放課後に学童に通わせることになる、学校行事への参加や提出物などで保護者の負担が増える、習い事や学習塾へ通う子どもが増える、といった点。

 

この中で、自治体によって違うのが、共働き世帯が利用することになる「学童」の問題です。

自治体によっては保育園だけでなく学童にも待機児童が発生していて、入れるかどうか分からないことも。
また、保育園に比べると学童は預かり時間が短くなるため、仕事との両立が難しくなるのでは、と不安に思う人も多いと聞きます。

 

そこで今回はまず、松戸市の学童について調査。(松戸市では『放課後児童クラブ』という名称ですが、本記事では『学童』としています)

加えて、子どもの通学を考えて、「ザ・パークハウス 松戸」のマンションと小学校との距離や通学路について。
また、松戸駅周辺の学習塾についても調べました。

こちらの記事をまとめると……

学童保育の入りやすさや時間は? 待機ゼロ、19時までの開所でフルタイム勤務でも預けやすい

小学校の下校時間は、曜日等によってまちまちですが、早い日で13時、遅くても15時頃。
共働きの場合、保護者の帰宅は早くても18~19時頃のことが多いので、それまでの間、また、夏休みなど学校が長期休みの期間に、子どもを預かってもらう必要があります。そのための施設が学童です。

ただ、保育園と同様、現在は学童においても待機児童が発生している状況です。
2022年5月の時点で、全国ではおよそ1万5,000人の待機児童がいます。(※1)
コロナ禍で減少していた利用者が徐々に戻ってきたことなどから、学童の待機児童数は3年ぶりに増加に転じており、利用児童数も過去最多となりました。

首都圏では、江東区の313人、埼玉県さいたま市の311人、千葉県船橋市の311人をはじめ、100人超の待機児童を抱えている市区もあります。(※1)

 

では、松戸市はどうなのかというと、記録が残っている2017年度から最新の2022年度まで、学童の待機は毎年ゼロとなっています。

2023年3月時点で松戸市の子育て支援課にヒアリングしたところ、年度途中でも入れる状況とのこと。
(ただし利用開始の約2か月前までに申し込みが必要)

千葉県発表の資料で調べてみたところ、松戸市の学童は、令和4年5月1日時点での登録児童数が4,627人であるのに対し、定員数は5,280人と余裕があるようでした。


▲千葉県の市町村別の学童(放課後児童クラブ)待機児童一覧。
松戸市はゼロとなっています。
松戸市は保育園の待機児童も7年連続でゼロでしたが、学童も待機が発生していないようです。

 

また、学童は預かり時間が自治体によって異なるので、これも事前に調べておきたい点。

市区町村によっては預かり時間が一律18時までと決まっていたり、同じ市区町村内でも「こちらは18時30分だけれど、あちらは19時まで預かってくれる」という風に、施設で異なることもあります。

そのため、「本当は自宅に近い学童に預けたいけれど、閉所時間が早くて迎えが間に合わないので、ちょっと遠くの学童に預けている」というケースが発生することも。
保育園は19時や20時までの延長保育を実施していることが多いのですが、学童はまた事情が変わってくるのです。

 

松戸市の場合、市内すべての学童で平日19時までの保育を実施しているよう。(土曜日は8時から18時まで)

学校が長期休みの期間は8時から19時までと、フルタイムで共働きをしている家庭でも、無理なく迎えに行けそうな時間になっています。

 

加えて、小学校3年生までしか学童に預けられなかったり、6年生までとなっていても、低学年が優先されるため高学年の枠が限られてしまうという自治体もあるなか、松戸市は6年生まで預けられ、前述のように定員にも余裕がある状態のようです。
「4年生以降は塾や習い事に通うから、学童には行かなくていい」という家庭もあれば、「4~5年生くらいまで預けたい」という家庭もあるので、松戸市のような状況であれば、子どもや家庭に合った利用の仕方ができそうだと思います。


▲松戸市の放課後児童クラブ(学童)利用案内。
市内のどこの学童を利用しても、平日は一律19時まで預かってもらえるというのは、なかなか行き届いていると感じます。
利用料金は月額9,000円とのこと。

 

また、松戸市の学童は、小学校と同じ敷地内、もしくは隣接した場所にあるようで、安心感があると思いました。

自治体によっては、児童館など小学校とは離れた場所に設置されていることもあるのですが、同じ敷地内であれば子どもが長い距離を歩いて移動するような負担がなく、学童を利用していない友達と校庭で一緒に遊ぶことができたりと、メリットが多いと感じます。


▲「ザ・パークハウス 松戸」の通学区指定校「中部小学校」も、同じ敷地内に「放課後児童クラブ」の建物があります。
(中部小学校・中部放課後児童クラブ 現地より約330m)

 

他にも、松戸市では学童以外の子どもの居場所として「放課後KIDSルーム」という活動を実施しています。
学童のように、出欠をきちんと管理したり、専門の施設で職員がしっかり見守るようなものではなく、登録さえすれば子どもが自由に参加したり、しなかったりができる、というもの。

教職免許等を持つ支援スタッフさんにゆるやかに見守られながら、みんなと一緒に宿題をやったり、読書や工作に取り組んだりできる場所ということなので、「習い事や塾もあるから学童に毎日通わせるほどではないけれど、ひとりで留守番させるのは心配」とか、「親が帰宅してから宿題を見るのは大変なので、学校内で宿題を済ませてきてほしい」といった場合に利用できそうです。

小学校によって開催される曜日に違いがありますが、中部小学校では月曜から金曜の毎日開催。
利用料は月額500円とリーズナブルです。

私が住んでいる場所にもこのような活動はあるのですが、月に1~2回程度なので、毎日開催されているのはかなり手厚いと感じます。

通学路を検証。マンションから小学校へは約330m。交通量の少ない道を歩いて通学できる

次は、小学校までの通学について。
「ザ・パークハウス 松戸」について調べたところ、通学区指定校の中部小学校へは約330mの距離。


▲写真では少し分かりにくいのですが、小学校からマンション建設地が見えるくらいの近さです。
(中部小学校 現地より約330m)

 

マンションからは下記のルートで通学するようです。


▲駅前大通りを横切りますが、道のりのほとんどが車通りの少ない住宅街です。
(通学路は年度によって変更の可能性があります)

 

実際に通学路をチェックしてみました。


▲①の場所から通学路の通りを撮影。ここを210mほど直進すれば小学校です。
片側一車線で、大型車の通行が禁止されており、車通りは少ない道路です。
ドライバーへの注意喚起のための「通学路」の道路標示も。
(現地周辺 現地より約120m)

 

 
▲②の場所から撮影。
小学校の手前に、駅前大通りと交わる交差点(中部小学校前交差点)があります。大通りとはいうものの、こちらも片側一車線の道路。
通学路で唯一、信号がある箇所ですが、朝夕の登下校時には誘導係のボランティアスタッフの方が立っていてくれるとのこと。
(画像1枚目・2枚目:中部小学校前交差点 現地より約300m)

 

通学路のなかで安全性が気になる場所というと、上の交差点かと思いましたが、横断する「駅前大通り」は、松戸駅から江戸川の堤防へ突き当たる、全長でも600mほどの短い道。
交通量はさほど多くありません。

信号が変わるたびに1~2台の車が通る程度で、誘導係の人もいれば危険を感じることは少なそうだと思いました。

 

中学校は、第一中学校が通学区指定校。徒歩17分の距離(約1,350m)のようです。

松戸駅の周りには学習塾も充実。難関校向けコースのあるSAPIXや日能研も

続いて、学習塾についても調べました。

学研教育総合研究所の調査によると、小学生の7割以上が勉強やスポーツ、プログラミングなど何らかの習い事や塾に通っているそう。(※2)
小学生は徒歩で通える自宅近くの塾を選ぶことが多いので、自宅や最寄り駅の近くに多くの選択肢があると便利です。

調べたところ、松戸駅の周辺は商業施設も多いですが、習い事や学習塾も充実しており、特に中学校受験に強い大手の塾が多いのが特徴のよう。


▲松戸駅周辺の学習塾を地図に書き入れました。
SAPIXや早稲田アカデミーのような集団指導の塾もあれば、森塾や栄光ゼミナールといった個別指導の塾も複数。
駅とマンションの間に集中しているので、小学生も通いやすそうだと思います。

 

中学受験をするお子さんが通う塾としてよく聞くのは、SAPIX、四谷大塚、日能研、早稲田アカデミーですが、四谷大塚以外の3つがあるのはなかなかの充実度といえそう。


▲飲食店などが並ぶ「きてみてまつど通り」にも、早稲田アカデミーや臨海セミナー、SAPIX、河合塾マナビスなどがあります。
(きてみてまつど通り 現地より約580m)

 

 
▲難関校受験向けのコースがあるSAPIXや日能研も、駅の周辺にあります。
徒歩で通えれば保護者が送り迎えする必要もなく、安心感がありそう。
(画像1枚目:SAPIX小学部 松戸校 現地より約690m/画像2枚目:日能研 松戸校 現地より730m)

 

いかがでしたでしょうか。

 

保護者が毎日送り迎えをし、保育時間もある程度決まっている保育園や幼稚園とは違い、小学生になると、学童に何年生まで通うか、何歳からひとりで留守番をするか、学校が終わったらすぐに帰宅するか、課外活動に参加するか、など、子どもや家庭によって状況がかなり異なってきます。

きょうだいの有無や家庭の考え方によっても違うため、行政が用意する保育の場は、弾力性があったり選択肢が多い方が良いと個人的には思うのですが、松戸市の学童や放課後KIDSルームなどの取り組みを見ると、通える年齢や子どもの過ごし方など、選択肢が多く設けてあるように感じました。

学習塾も、小学生が徒歩で通える範囲に集まっているので、中学受験を考えた場合も安心感がありそうです。

※1:厚生労働省報道発表資料「令和4年(2022年) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況(令和4年(2022年)5月1日現在)」より
※2:学研教育総合研究所(Gakken)「小学生白書(2022年)」より
熊谷実津希

住宅ライター
熊谷実津希

「知りたいことは、現場に行って調べる!」がモットーの住宅・不動産専門ライター。二児の母にして分譲マンション購入経験あり。美味しいお店を発見する眼力にも自信あり!?

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